1964(昭和39)年12月2日、池田先生が小説『人間革命』の執筆を開始しました。
池田先生は第1巻の「まえがき」につづっています。
「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする。——これが、この物語の主題である」と。
戦後、第二代会長戸田先生が創価学会の再建に一人立ち、75万世帯の弘教という誓願を達成し、後継の弟子・山本伸一(池田先生のペンネーム)が第三代会長に就任するまでをつづった『人間革命』。日蓮仏法の信仰によって目覚めた人びとの“蘇生のドラマ”と“師弟不二の闘争”を描く、“不滅の真実”の一書なのです。

池田先生が『人間革命』の執筆を開始した地は、日本で唯一、太平洋戦争の地上戦が行われ、多くの一般市民が犠牲となる悲惨と苦汁をなめた沖縄でした。
池田先生はのちに「その朝、私は一人、文机に向かい、万年筆を握ると、原稿用紙の第一行に力を込めて書き始めた。『人間革命』—そして、『第一章 黎明一』と続けた……」と、当時を回想しています。「戦争ほど、残酷なものはない。/戦争ほど、悲惨なものはない」との言葉で始まる『人間革命』の執筆開始は、人類の平和と幸福の「黎明」を開きゆく闘争を開始する、高らかな宣言でもあったのです。
以後、池田先生は激務の合間をぬい、時には高熱を押して執筆を続けました。体調を崩し、口述をテープに吹き込むこともありました。『人間革命』全12巻は、完結まで28年あまりの歳月をかけ、聖教新聞での連載は1509回に及びます。
『人間革命』の完結から、わずか半年後の93年(平成5年)8月6日、池田先生は長野の地で小説『新・人間革命』の執筆を開始。2018年9月、全30巻で完結しました。連載回数は『人間革命』『新・人間革命』を合わせ、通算7978回。これは、日本の新聞小説史上、最多の連載回数となりました。

各国語版の小説『新・人間革命』

各国語版の小説『新・人間革命』

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